親族のお葬式には本式数珠を

お葬式の形態という観点でみると、日本人の多くは仏教徒に分類されることになります。しかし、現代人の生活は宗教との関係が希薄で、お盆やお葬式などでしかそれを意識することがありません。そのため、若い世代ほど自分の家の宗派がなぜあるかをわかっていない場合が多くなっています。自分の祖先や宗派に畏敬の念をもって向き合いたいと考える人は、本式数珠を用意するとよいでしょう。

本式数珠は、各宗派で異なる仕立て方をしているものの、基本は108の主珠で造られています。108という数は、人間の煩悩の数であると言われる一方で御仏の数だという説もあり、いずれにしてもその一つ一つの珠によって煩悩を乗り越えられるというのが由来です。数珠の中心にある最も大きい親珠は、阿弥陀如来や釈迦如来を表しています。主珠と親珠の間に位置する四つの珠は四天珠と呼ばれ、宗派ごとの四天王や四菩薩を象徴しています。また房の部分には、一番上に菩薩を表す浄明珠があり、そのあとに釈迦の十大弟子や十菩薩などに解釈されている弟子珠やそれを留める露珠が連なります。そしてこれらの珠をつなぐ中通しの紐は観音菩薩を表し、数珠がいかに神聖でありお葬式に欠かせない法具であるかがうかがえます。

合わせる房にも様々な形があり、大きく四種類に分けることができます。もっともオーソドックスな切り房は、その中でさらに都切房や蓮華切房などに分かれます。頭付房は切り房と似ていますが、編み込んだ頭の下に撚り房を垂らしています。梵天房は、房の先端の糸を球形に切り揃えたものですが、手毬のように丸く編みこんだタイプもあります。シンプルな形状の紐房は、紐を編んでそのまま房としたものです。基本的にはどの形にするかは自由ですが、本式数珠は房の種類が宗派によって決められていたりします。

そして、男性用と女性用があるという点にも気を配らなければなりません。その違いは、大きさをはじめ珠の色や材質、そして宗派によっては房の形で判断します。さらに宗派の中には、男性用と女性用で珠の数が違うこともありますので確認が必要となります。