社会的な立場でのお葬式なら略式数珠で

年齢を重ねるほどに、身内以外の様々な立場でお葬式に参列する機会が多くなります。社会人になると、マナーとして数珠を携えていく方が礼節をわきまえていると判断されたりします。特に宗派にこだわりを持っていないのであれば、略式数珠を用意しておくと無難です。また、仏式であれば他の宗派のお葬式に本式数珠を持って行っても失礼にあたりませんが、どうしても気になるならば略式数珠にして使い分けるという方法もあります。

本式と略式の大きな違いとして、まず珠の数が挙げられます。珠の数が多い本式は二重にして使用することから二輪数珠、小ぶりな略式は一輪数珠あるいは片手数珠とそれぞれ別称があります。略式は、釈迦が弟子たちに自分の大切に使っていた数珠を分け与えたのがその起源と言われています。そのため、本式の主珠の数が108であるのに対し、略式はその半分の54、または3分の1にあたる36などというように以前はきまりがありました。しかし現在は、実用的な使いやすさを優先しており、半分以下であればよいということになっています。四天珠も半分の二つとなり二天珠と呼ばれ、浄明珠や弟子珠などがなく代わりにボサで親珠と房をつないでいます。

珠の数だけではなく、略式は本式に比べて自由度が高いです。素材や房の形などにも特にきまりがなく、その分バリエーションが豊富で選びやすくなります。そして何よりも、どの宗派のお葬式にも使えるというのが大きな魅力です。一つ持っておけばあらゆる状況にも対応できるので非常に重宝し、初めて数珠を用意するときには略式を選択する人が年々増えています。

ただし、本式のもの以外を認めない宗派もありますし、房の形も同様です。また、地域によっても本式を持つべきだという考え方のところがあります。とりあえず略式を持っていれば安心というのではなく、状況に応じて違ってくるということを常に念頭に置くのが大切です。数珠を携えてお葬式に参列するのは故人を偲ぶ心の表れであるのを忘れず、事前に確認しその場にふさわしい礼を尽くすのが社会人らしい姿勢です。